GGA チャンピオンズロード "アンリミテッド・サバイバー"
フロリダ州某所
海岸沿いにあるただならぬ"匂い"を放つ白塗りの建物から伝説は始まった
「ケネディ!!また防衛!!これで13度目の防衛戦を制しました!もはや彼を止めれる選手はいないのかーーー!!!」
アーク・パフォーマンスセンター
団体直営のトレーニング施設にて方舟で戦う選手が選ばれる。
休憩室のテレビで処刑人ケネディの試合を眺めているこの男は
デヴィッド・マクレガー
団体のオーナー自らスカウトしたという異例の経歴を持つ彼はその優秀な成績からデビューはすぐと噂されていたが、コーチと揉めて半殺しにしてしまった事件を犯し、デビューを一時取り下げられていた。
「よーー旦那!元気かい!」
事件を起こす元より短気な性格から、同期すら寄らない彼へ気さくに話しかけるのはロマリオ・メディチ
彼はマクレガーより数週間ほど遅く入団したが、マクレガーが問題を起こした事によりデビューが繰り上げになったのだ。
「先週の俺の試合、みたかい?ボコボコにされちまってなー!情けねえぜ」
「情けねえのはいつもの事だろ」
「へへへっ...…ケネディすげぇよなあ。俺達が入る少し前からずっと王者だぜ」
「ああ、気に食わねえ」
「こういう俺は真面目だぜってしてる奴が気に食わねえんだ」
デヴィッド・マクレガー。
才能、家系。
そのふたつに恵まれている彼は本来であればケネディのような男に育つのが道理であった。
しかしどこから貰ってきたのか短気な性格が災いして結果、不良となった。
「なあ、旦那。知ってるか?ケネディが引退する噂」
「はあ?するわけねえだろ」
「いやこれがマジな話、濃厚なんだよ」
「根拠はなんだよ」
「Facenoteで最近レスラーを辞めたらどうするかって匂わせ発言が多い」
「それだけかよ。王者が続いてるから退屈なんだろ………ん?」
退屈…?
「おっ気づいたようだねえ!そうだよ"退屈"なんだろうね……」
「どっから何までムカつく野郎だ。俺が今すぐボコボコにしてやりてえ」
「絶対王者に対してその口……流石、"アンリミテッド・サバイバー"だな」
マクレガーは入団してすぐ、パフォーマンスセンター恒例の"洗礼"と称した先輩やコーチによるいじめとも取れるバトルロイヤルで敵7名全員を返り討ちにした。
余りにも鬼気迫る戦いぶりから最後に残ったコーチは詫びて降参したほどだ。
それからも彼を妬む者より因縁を幾度も吹きかけられるも、全てを乗り越えてきた。
そして、あまりにものタフネスぶりから
"アンリミテッド・サバイバー"
不死身のあだ名が付いた。
そして事件から4ヶ月後、そんな彼がようやくデビューできる日が来る。
彼が半殺しにしたコーチの復帰が条件で彼は開放されるのだ。
「久しぶりだな……マクレガー…!!」
「はっ!コーチも無事で何よりです」
敬礼するマクレガー。
自身が半殺しにしたにも関わらず、この態度である。
しかし、彼はなぜクビにならなかったのか。
それはこの事件は元よりこのコーチが悪かったのだ。
「よいよい、貴様が短気であることを失念していた私のミスだ…!
………貴様を送り出してリングでグチャグチャになる所を見て憂さ晴らしとするとしよう…!」
このコーチはある日、口答えをしたマクレガーに腹が立ち、彼の分の弁当を隠れて捨てたのだ。
しかし、食に貪欲な彼の逆鱗に触れてしまった。
マクレガーは確証も無しにコーチの仕業と当て、彼を半殺しにした。
後に監視カメラでその一部始終が発見された事により許された。
ただ、そこまで怒らなくても……というコーチへの同情の声も少なからずあり、彼はそんな声を上げた人物もコーチ程ではないがぶちのめしてしまった事により謹慎となった。
「食べ物の恨みは恐ろしいってことですよ 」
「ふん、その生意気な態度もデビュー戦でおしまいだ……貴様のデビュー戦のマッチメイクは私に委ねられた。対戦相手は冴島 竜だ」
「おいおい、冴島 竜だって……」
「デビュー戦にしては鬼畜だろ……」
「流石のマクレガーもこれは負けるんじゃないか…?」
どよめくギャラリー。
無理もなかった。
冴島 竜、それは日本より現れた"龍"
現王者であるケネディの前王者であった彼はケネディとの7度に渡る防衛戦の末、膝の故障により王座を手放しケネディへ託した。
ケネディが躍起になって防衛をしている動力源は彼の帰還を待っているのもあった。
「貴様はドラゴンに負け、復活したドラゴンはケネディへの挑戦をする!!これが"シナリオ"だ!!!」
かけがえのないものであるデビュー戦を踏み台にする。これが陰湿な復讐であった。
「でも、俺が負けるとは限らないでしょう?
しかしまあ、弁当を捨てるくらい陰湿なお方なので、正面から叩かれるのは意外でしたが……」
「ぷっ……フハハハハハハ!!お前みたいなただ力任せのバカがドラゴンに勝てるわけないだろ!!これは負けのシナリオなのだ!!」
「バカなんで負けるかどうかわかんないんですねえ」
「減らず口もここまでだな!!試合は来週の放送だ!首を洗って待っておくんだな!!!フハハハハハハ!!!!」
高笑いをして持ち場へ戻るコーチ。
震えているマクレガーへメディチは心配になって話しかけた。
「おい、大丈夫かよ?アンラッキーだねえ、気を落とすなよ。デビューでボコボコに負けても活躍してる奴は何人も……」
「燃えてきた」
「え?マジで?相手はあのドラゴンだぞ?」
「そのドラゴンに勝てなきゃケネディにも勝てねえだろ」
「んーー……まあ、なるほど!」
「俺は負けねえよ。俺はアンリミテッド・サバイバー、マクレガーだ!!」
黄金の煌めきを放つベルト。
この黄金を手にする為に…
彼のチャンピオンまでの伝説はここから始まる
特に続きは考えてないです……時間が出来たら書きます()