GGA チャンピオンズロード "ザ・ゲーム"
俺はアンジェロ・アーデルンカッツ。
所謂エリートとして育った俺は同じ欧州仲間としてどうしよもないクズのロマリオ・メディチが放っておけなかった。
あいつがデビューしてすぐに声をかけた。
クズキャラとエリートキャラの組み合わせというのはファンの心をくすぐったらしく、すぐ俺達は人気ユニットになった。
ただ、あくまでもこれは外の話だ。
「なあ、アンジェロ、デヴィッド・マクレガーってやつが居るんだが……」
結成して1週間目であいつはあの男の名前を口にした。
同期に滅茶苦茶強いやつがいる。
本当はそいつの後にデビューする予定だったが前倒しになった。
あいつは凄い
だのどうでもいい話が続いた。
しかし、それから2日に1回はのようにあの男の武勇伝を話される
俺は楽しく話をするメディチは好きだが、少し危惧していた。
マクレガーというやつがデビューした後に、俺らの関係は続いているのか
そして、メディチがデビューして半年の出来事だった。
ルーレットで次の王者への挑戦者を決めるとかいう団体側のふざけた提案により、メディチが挑戦者に選ばれた。
その時の王者はフェルナンド・カストーレ。
北欧の怪物としてデビューしてから3年目で最高級の王座を手にするという歴史的な快挙を遂げた。バケモノだ。
体格も明らかに劣るメディチが勝てるわけが無い。誰もがそう思った。
しかし、判決は違った。
死闘の末、メディチが大逆転勝利。
必殺技のアップ・ジ・アンティでトドメを刺した。
盟友のまさかの勝利に俺は心底驚いた。
祝福の心で胸がいっぱいだった。
インタビューを聞くまでは
「俺の相棒、デヴィッド・マクレガーがデビューするまでこの王座は守る!待ってるぜ!マクレガー!」
俺は握っていたペンをつぶした。
相棒……だと?
それからデビューすらしてないマクレガーの取材が組まれ、当のメディチ本人は一気に人気者になる。
王者への最短記録を更新したからな、それは当然だろう。
なんと俺の2倍近く、グッズ売上を記録した。
やばい、このままでは…
デビューして6年目。何もなし得ていない俺は危機感を覚えた。
一方、メディチは初防衛戦でゴーストに敗北。
それからドラゴンがゴーストに勝ち、ケネディに敗れて現在に至る。
一時の安堵を得られたが、ついに奴がデビューした。
そう、デヴィッド・マクレガーだ。
俺はここでアイツを叩きのめし、メディチのトゥルー・パートナーは俺だということをアイツに分からせてやる。
さあ、ゲームの時間だ。