GGA チャンピオンズロード "セツルメント"
「マクレガー!マクレガーがやりました!アンジェロを倒しましたーー!」
「俺がアンリミテッド・サバイバー!マクレガーだ!!!」
沸き立つ歓声。
前回までの勝利は決して偶然ではなかった。
3度目の勝利を迎え、新たなヒーローの誕生を祝福するこの声に俺も乗った。
「イエーイ!マクレガー!!イエーイ!」
倒れているアンジェロが俺を睨んだ。
すまん、俺にはどっちも大事なんだ。ここは先に祝わせてくれ!
「ほら、立てよ」
倒れるアンジェロに手を差し伸べるマクレガー
「ふん、情けなどいらんね」
「そうは言わずによ、メディチのパートナーなんだろ?俺と敵対する理由なんてないはずだろ?」
「ヒーローにはわからんさ…この気持ちは」
「何言ってんだお前、ほれ」
無理矢理アンジェロを抱え起こすマクレガー。
彼の紳士的な行動で会場は拍手に包まれた。
「クソッタレ共が多いこの船でこう言ったことは珍しいな!」
「ええ、あとはケネディくらいなものじゃないでしょうか!?」
「我々も彼の紳士的行動を称えよう!!」
実況席の奴らも褒めている。
俺はというと、どうも違和感があって拍手をする振りをしている。
ロッカールームにて、抱えてたアンジェロを乱暴に突き放すマクレガー。
「痛い!!貴様!観客の前でいいカッコするためにしたな!?」
「そりゃそうだろ、誰がお前なんか担ぐかよ!…たくよう……そもそも何で突っかかってきたんだよ、メディチから俺とアイツの関係を少しは聞いてるだろ?」
「ふん、貴様のような将来が約束されてそうな男には分からんよ」
「あん?お前、エリートキャラなんだろ?お前には言われたくねえよ、それにもっと胸張れよ」
「キャラではない!!エリートだ!!!」
「そうそう、そんな感じ………実はアイツ、俺と居る時、お前の話ばっかしててよ。タッグは楽しいとか、アンジェロはベテランだから観点が勉強になる…とかよ…いいタッグじゃねえかと思ってた」
「何!?」
「何だよ」
「……私はメディチからお前の話ばかり聞いてる。それにお前の事を相棒とまで言い放ってた…なのでお前を倒さないとタッグの存在が危ういと思っていたのだが……」
「あいつの事だし特に考えず勢いで言ってるんだろ。それに後ろめたいことばっかしてるから他人の話しかできねえんだろアイツ」
「………言われてみれば確かに」
「これからもアイツのことをよろしく頼むぜ。それにクソだから見限って俺と組んでもいいぜ?」
「ふむ……検討しよう」
「「HAHAHA!!!」」
俺は2人の様子が気になってロッカールームまで来たが…
なんだか笑い声や雑談みたいなのが聞こえる!大丈夫そうだな!!!
「2人とも!!いいファイトだったぜ!」
俺は扉を開けて2人を称える。
そこにはにこやかに見つめあっている2人の姿が居た。
よかったぜ。
「おう!お前がいかにクソ野郎かって話題で盛り上がってたんだ!」
「タッチのタイミングを忘れてた話とかな!」
「「HAHAHAHAHAHA!!!」」
「おお!仲良き事はいい事だな!!」
「「「HAHAHAHAHAHA!!!!」」」
えっ?