GGA チャンピオンズロード "ゴールド"
「残念ながらオセロットの敗北!!この王者はもう止められないのだろうか!?」
「いや、マクレガーがオセロットに一度勝っている。それにドラゴンもいるし、もしかしたらまだ分からないぞ」
「どうなんでしょうか!?次の挑戦相手は不明ですが、そろそろこの王者を蹴落としたいと選手の誰もが思っているところ!」
「次の対戦相手は時期を見て発表するそうだ」
「ではまた来週会いましょう!ご視聴ありがとうございました!!」
「アッハッハッハッハッ!贋物をめぐってあんなに必死に戦うなんて滑稽だ」
テレビを眺め嘲笑うこの男は
「ゴースト、いつ本物を出すんだ?」
そう、この男がゴースト。
そして同席している巨漢はフェルナンド・カストーレ。
メディチに負けて以来、2年にも及ぶ期間彼も行方を晦ましているのだ。
ゴーストはどこで彼を見つけたのかは分からないが現在は行動を共にしている。
「そうだなー情報によるとドラゴンも気づいてるという事だがな、これを持っている真の目的を達成しなければならない、その後にこのベルトの真の所有者の宣言と共に君も復帰しよう」
「分かった。だが俺としては早くメディチの野郎をぶっ潰したい」
「まあまあ、このベルトは君のような男にふさわしいと思っているんだ…メディチは勿論だが、ケネディを倒して真の王者となってくれたまえ」
「おう、任せろ。しかし、気になったんだが…このベルトってそこまでする価値はあるのか?」
「ふむふむ、まあ分からないのも仕方ないだろう。このベルトは元はと言えば他の団体より持ち出されたベルトでね…そこは、このアメリカでプロレスが栄え始めて以来の団体なのだよ」
「へえ、そうだったのか」
「この北米プロレスの歴史の象徴であるベルトを団体は何としても保管しておきたいのだ。だからこのベルトをめぐって対外試合など組まれないし、これを持って上を揺するための材料ともなり得る。という訳なのだよ」
「なるほどな、ケネディはその事知ってるのか?」
「いや知らない確率が高いね。知ってたら"自分の格上げ"なんてしない筈だよ。速攻で揺するだろう」
「言われてみればたしかに」
「まぁドラゴンは知ってるがね。それにこのベルトはもうひとつ秘密があってだね…そもそも、この団体に大きな謎がある事には君は気づいたかな?」
「謎?」
「ああ、おかしいとは思わないかね。私含めて犯罪者達を釈放できたり、船を動かし続けることが出来る資金。どっから出てるんだ?」
「出資者が金持ちなんじゃないか?」
「まあそれもあるが、限界があるだろう……私が手に入れた情報によると、このベルトはある金庫への鍵の役割を持っている」
「鍵?ベルトが?」
「これは私もまだ現物を確認していないのだが…このベルトに隠された何かを使うことでこの団体の資金源である金庫を開けることが出来る」
「そんなもんレスラーに渡してるのかよ」
「勿論これがそのまま鍵とは思えないがね。私はある男が死んだ際にこの情報を手に入れた。その男はフロントと通じている。情報としては間違いないだろう」
「……で、その金庫はどこにあるのか?」
「調印式の際にたまに、沖の小さな島に停泊している事があるだろう?そこにあると睨んでいる」
「なるほど、調印式でベルトを預かってる間に引き出しているのか」
「そう、ここからはどこまで正確かは分からないが…約10億ドルある可能性がある」
「10億ドル!?よくそんなの隠してるな」
「まあ歴史あるベルトだからこそ何か意図があって準備されていると思うのだがね……だから私はこれの為にドラゴンへあの話を持ちかけた。ベルトを頂くためにね」
「金を頂くつもりかよ」
「そりゃそうだ。持って逃げ出すんだよ」
「じゃあアレか?ケネディが王者になってからまだ島に停泊してないからこうやってコソコソ隠れてるのか?」
「その通り!だいたい1年に1回のようだからそろそろと思っているがね」
「クーデターってのはどうするんだよ」
「勿論その金を使うんだよ。それを質にしてこの団体の権利を買収する」
「そう上手くいくかね…」
「私は既にフロントの一部へこの話を持ちかけて協力を頂く事に成功している」
「訳あり連中に話しかけたのは?こんな話を知ったら黙ってねえだろ」
「あいつらは撹乱するためのコマだ。もちろん、信に値する人物へは"君のように"話をするがね。少なくともグレゴリーやメディチのような人物にこんな話をする気はないが…」
「信頼頂いてるようで何よりだ」
「"君だから"言うが…実は政府の命を受けたある男と接触が成功している。彼と組み、逆らう"犯罪者"は再び檻に入れるという訳だ」
「なるほど…」
「さて、話の続きはまた今度にしよう。山猫を迎えに行かなければならない」
「オセロットをか?」
「ああ、彼も信に値する友であるのでね……」