RDV公式ブログ

新しく生まれ変わったGGA公式ブログ

GGA チャンピオンズロード "スワンプマン"

 

「いい飲みっぷりですね…見てるこっちが楽しくなっちゃう」

 

「酒は豪快に飲むのが楽しいんだよ!」

 

次の放映まであと4日。

俺はドラゴンに次の対戦相手はスワンプマンを指名した。

どうも奴は殆ど試合に出てないそうでここ5年近く出てないそうだ。

どうりで俺が見た事無いはずだ

 

普段はミシシッピの沼でワニ狩りに勤しんでるとも噂が流れたりしてる。

まさにスワンプマンって訳だ。

しかし、グレゴリーもだけどそういう生活が人気なんかね?

人間との喧騒に明け暮れた俺にはイマイチ、ピンと来ない話だ。

 

 

そんな俺はメディチとの待ち合わせ時間より2時間ほど早くバーに着き、酒を浴びていた。

どうせメディチは女遊びをしてから来るから1時間は遅刻するだろうけどな。

 

そこで、俺並み、いや俺以上の体格をしている兄ちゃんに話しかけられて、だべりながら飲んでいる。

 

「いやーマクレガーさん、見事です」

 

「あんたももっと飲みなよ」

 

「そうですねぇ、まさかふらっと立ち寄ったここで同業者に会えるとは嬉しくて、嬉しくて」

 

彼はプワゾン・スミスという名前らしい。

どうも中米で格闘家として活動しているとか

 

「HAHAHA!ここらへんにデッカイ船が泊まってるだろ?あそこで俺みたいな奴が活動してんだ!ここはそこのレスラーの溜まり場ってわけ。後で仲間のメディチって奴が来るぜ!」

 

「ほう…それは楽しそうですね」

 

「アイツの話は面白いんだぜ!」

 

「それはそれは楽しみですね…まあ、私からしたら今の時点で楽しいんですけど」

 

「嬉しいこと言ってくれちゃって〜〜」

 

「ははは、もう一杯注ぎますよ」

 

俺は頂いた酒を飲むと、騒がしい音が聞こえてきた。

 

「おい大変だ!もうスワンプマンの奴、この辺まで来てるらしい!!……ってもうそんなに飲んでるのかよ!?」

 

メディチの奴がいつもより早く来た。遅刻してるのには代わりはないのだが

 

「おう、ここの兄ちゃんと意気投合して…」

 

 

「おい!そ、そいつがスワンプマンだよ!!!!」

 

は?

俺は振り返ると顔面を捕まれ、机に叩きつけられた。

 

「やれやれ…もう少し飲ませてからと思ったんですがねぇ……」

 

あっミシシッピ…中米…ってそういうこと…

 

「てめえ!マクレガーに何しやがる!」

 

 

「僕、嫌なんですよ。リングに上がるのが」

スミス…いや、"スワンプマン"は叩きつけた俺の顔をじっと見て語り始めた。

 

「は?」

 

「最初はね…部族の素晴らしさを広めるためとして楽しく戦わせて頂きましたけどね……人間はダメです」

 

「何言ってんだ…?」

 

「ダメなんですよ…人間が苦しむ顔を見るのは……」

 

「人をこうやって叩きつけといてよく言うぜ。リングじゃなくてここなら良いってか?」

俺は体勢を建て直し、構えた。

 

「そうですね…分かるんですよ…貴方が負けてファンの子がガッカリする顔が…それを見たくない、ここで潰せば見なくてすみます」

 

「そいつは大層な自信だって事で!!」

 

俺は拳を振りかざし、スワンプマンの肩を殴ろうとするが、アイツは片手での腕を掴み、そのまま後ろにほおり投げる。

俺はカウンターにぶつかった。

 

「おいおいおい!!!喧嘩なら外でしてくれよ!!!」

 

「す、すまねえ…」

 

なんて力だ。確かにこれならワニを殺れる。

 

「ふー…久々に団体に呼ばれて杞憂な気持ちで酒場に寄ったら…たまたま、貴方が居てね……酔いつぶれて幸せな時に壊してやろうかと思いましたが、なかなかにしぶとい」

 

スワンプマンは俺の方へじりじりと歩き詰めてくる。

 

「しかし、気が変わりました。あれだけ飲んでる状態でここまでされて、まだ意識があるなんて、貴方は面白い」

 

「へっ、そりゃどうも」

 

「貴方はグレゴリーさんを倒したそうですね?彼は僕が尊敬しているハンターだ。だから憂鬱ながらもこの誘いには乗らせてもらったが……期待以上の試合が出来そうですね。マスター、騒がせて申し訳ありませんでした。これが弁償代です」

 

スワンプマンはカウンターに金を置いてバーから出ていった

 

「大丈夫か?」

 

「ああ、大した事ねえよ」

 

「しかし、とんでもない奴だったな…」

 

アイツの目…何か言いたげだったな…

何にそんなに杞憂をしているんだ?

 

「やれるか?アイツと」

 

「馬鹿言え、俺はアンリミテッド・サバイバー、マクレガーだ。やってやるよ…酔いも冷めたしこれからトレーニングだ」

 

「おおっ!俺も付き合うぜ!」

 

俺らは倒れた椅子を直し、バーから出ようとした…

 

「ちょっと!デヴィちゃん!」

 

「あ?なんだよ、片付けはしただろ」

 

「いや、足りないんだけど」

 

「飲み代ならいつも月末だろ?」

 

「……弁償代」

 

マスターに指さした先にある紙幣を見ると…3ドルしかそこにはなかった。

 

「あまりにも決めて出ていったからよく見てなかったけどね…どう考えても足りないよ」

 

俺は足りない金を払わされた。

 

 

 

「スワンプマン…殺す!!」

 

「おいおい、物騒だなあ……」

 

 

俺は来るべき試合に向けてトレーニングを始めた。