GGA チャンピオンズロード "サポーター"
負けた。
僕は全てを出し尽くし、マクレガーに負けた。
「俺が!アンリミテッド・サバイバー!マクレガーだああああああああぁぁぁ!!!!」
彼の咆哮が鳴り響く。
誰も僕を見ず、勝者のマクレガーを笑顔で見ている。
この笑顔を僕は向けられたかったのだ。
マクレガーは悠々と退場、その後、僕はグレゴリーさんに抱えられてリングを後にした。
「立派に戦いましたね」
グレゴリーさんが僕に語りかけてくる
「誰も貴方の事を非難してなかったですよ。仮に勝ったとしても…前のような事にはなってないと思います」
彼は携帯を取り出し、SNSを開いて見せた。
あれは毒だ。
僕はあれで精神を深く削られた。
しかし、今見たのはあの時と違い、僕の戦いを称えるコメントが多かった。
5年ぶりだから負けたというごもっともな意見もあるが、全盛期なら勝てた等、惜しむような発言になっている。
「これは…」
「自分が入った頃にはもうスワンプマンさんは公式試合をしてなかったですけど…あの戦いを見て勿体ないなって思いました」
そうだね。放送していない非公式試合やスパーリングくらいしかしてなかった。
「もちろん全てが自分を肯定してくれる訳じゃない…それは分かってるんですが……認めてくれる人は絶対にいます。それに、自分も先輩と戦ってみたくなりました」
「ありがとう、でもやっぱり自然の方が性にあってますね。ただ……デビューしてすぐのような感覚を取り戻してくれたのは事実です……!」
僕はグレゴリーさんにいつの間にかマクレガーの目の前に連れていかれた。
「スワンプマン…いいファイトだった。感謝する」
握手を求める彼に僕は応じた
「さて、グレゴリーから話を聞いたのだが……」
マクレガーは僕をここまで連れてこさせた意味を話した。
僕は彼からゴーストの計画、そして彼の計画について話をされた。
「うーん…僕としては誰かを突き放す。というのはそこまで好きじゃないですね…」
「まあ、無理にとは言わないが…」
「僕の気持ちを変えれた貴方だから、ケネディさんにも思いは伝わると思うんですけどね」
「それが一番なのは分かるけどよ、こんな事を企むような奴がそう簡単に考えを変えれるか…って思うとな…」
「…まあ、あくまでも僕の気持ちなので………でも、ゴーストさんの企みは阻止しなきゃいけない。そう思います」
「確かにそうだな。アイツの協力者とか手を組んでそうな奴とか知っているか?」
「多分…ヤン・ジュウホウやマイカは彼に協力すると思います」
「また知らない名前が出てきたぞ」
「逆に誰なら知ってるんだよ」
「うーん…ケネディに負けたやつ…ジェナスとかお前に負けたフェルナンドとか…あとフィリップ・ウインドストーム。それくらいかな」
「3人!?まだファンの方が詳しいぜ。もっと勉強しろよ」
「どうせ、お前が調べて教えてくれるからいいだろ」
「はぁ…おめー、今度から情報料とるぞ…」
「"3ドル"で」
「安っ!!」
「HAHAHA、でも……スワンプマン、アンタとの戦いは本当に楽しかったよ。5年も引きこもってたのが嘘みたいだった。またやりたい」
「ありがとうございます。僕も久々に向き合うことができました。感謝します」
「あんたが残れるように俺も最善を尽くす」
「ありがとうございます。そして…また、いつか飲みましょう」
「約束だ」
2人は熱い抱擁を交わし、お互いの帰る道へと歩いていった……