GGA チャンピオンズロード "オペレーション"
……最悪だ
マイカに勝った俺だったがユ・ムンとかいう目立ちたがり屋に襲撃された。
アイツも味方を増やしてるってわけか…
今まで俺が会ったリストの対象者は欲に目がからむようなやつでは無かったが…今回のあの2人は別だ。
金や欲の為なら この船を裏切ることだって選ぶだろう。
しかし、試合に勝って勝負に負けた気分だ。あの野郎…絶対次はぶちのめしてやる…
俺はマイカの連絡先を聞いていたのを思い出し、アイツへ怒りの電話を掛けることにした。
「おい!!!お前!!覚えておけよ!」
開口一番に怒号を浴びせるが、しかし、出てきた相手は違った。
「あ、マクレガー!さっきはどうも! 」
韓国人の方が出てきた。
「お前か!さっきはよくもやってくれたな!」
「ゴメンな!依頼なもんでつい…」
「うるせえ!次はお前をぶちのめしてやるよ!」
「マーベラス!その勢い…!さすがはアンコールサバイバーだ!」
「アンリミテッドだ!!ところでマイカの野郎はどうした?」
「運転中だね!だからボクが出たんだ!」
「ならアイツにお前も、もう一度ぶちのめすと伝えておけ!」
そう俺は啖呵をきって電話を終わらせた。
「散々だったな」
いつの間にかアンジェロが近くにいた。
「アンジェロ、メディチを知らないか?」
マイカの話はさておき、全く姿を見せてないのは気になって仕方ない。
「ん、お前も知らなかったのか?」
「お前こそ…最初はまた遊んでるんだろと思ってたが1週間近くも連絡が無いのは初めてだ」
「俺は2回目だな。前は携帯を海に落としたとか言われた」
「ん?それっておかしくねえか?俺は無かったんだぞ?」
「言われてみればそうだな。…その時はマイカとジェナスのタッグ相手への試合だった。アイツがすっぽかしたから不戦敗になった」
マイカ…やはりそうなのか?
「どうしたんだよ、急に顔をしかめて」
俺はマイカから聞いた話をアンジェロへ話した。
「成程…でもどうしてマイカはその事をわざわざ話したんだ?スパイなら明かす必要がないだろ?」
「用済みとかじゃねえのか?」
「ふむ…だとしたら今、アイツが見えないのはヤバいんじゃないのか?」
「始末されている…?」
「その疑問には俺が答えよう」
「……ドラゴン!」
待ってましたと言わんばかりにタイミングよくドラゴンが割って入ってきた。
「アイツがマイカと内通者というのは事実だ」
「どうしてそう言える?」
「仕事が早いな。……なんで俺がこの事を言う前にアンタは調べてたんだ?」
「俺もマイカの口から聞いたんだよ」
「なるほど、ところでメディチの話の前に…アンタに聞きたいことがあったんだ…金塊の事、隠してただろ?」
俺はドラゴンを睨みつける。
金塊なんぞは興味が無いが隠してた事は気に食わねえ
「すまん、お前には興味が無い話題だと思っていたからな」
「あんたも俺を利用してアレを手に入れたいだけなのか?」
「違う、あれは団体の物だ。純粋にケネディを止めたい。そもそもベルトを取って争うのに金の話なんか必要ないだろ?」
言われてみればそうだ。
裏の事実に引っ張られて本来の物を見落としていた。
「すまねえ、悪かった」
俺はドラゴンに軽く頭を下げた。
「いいんだ、黙ってた俺が悪い……ところで、メディチだが恐らくはゴーストに捕まっている」
「なんだと?」
「メディチが最後に目撃されたバーへフェルナンド…ニーズヘッグとアダム、そしてユ・ムンが入ってきて、少し話をした後に4人で外に出たそうだ。バーのマスターがそう話をしたとフィリップの奴から聞いた」
「フィリップ……」
先程襲ってきたユ・ムンは勿論、アダムも知ってるがそれとは別の新しい名前に困惑した。
「ドラゴン、マクレガーは新しく出た名前にショートしてる」
「おいおい、知らないのかよ。ケネディの仲間だ」
「後でプロフィールを見ておくわ」
「でも何でアレがゴーストに捕らえられたんだ?」
「詳しくはわからないが、マイカがどこまで知ってるか調べたいんじゃないのか?」
「向こうにもユ・ムンがいたのにか?アイツから聞けばいいんじゃねえのか?………とりあえずユ・ムンの奴から聞くか」
「どうやって聞くんだよ。脅してマトモに話せるようなやつじゃないぞ?」
「俺に考えがある。ドラゴン、来週の試合は俺と奴の試合にしてくれ!アンジェロ、お前はマイカの監視を頼む」
「了解だ」
「分かった。そう手配しよう」
「ところでマイカへの借金はいくらか知ってるか?」
「約70万ドルだ」
「なるほど、わかったよ、ありがとう」
待ってろよ、メディチ!