GGA チャンピオンズロード "ケネディ・ディアス"
老婆…いや"クリスティナ"の話は予想外のデカさだった。
そして、ヤンから見せられたリストにはケネディどころかスワンプマンやグレゴリーの名前があった。
俺とアイツらが親戚?
妙に納得してしまう所があるからそうなんだろうな
「天涯孤独やなくてよかったなぁ……!メディチィィ…」
マイカは何故か泣いてる。
「で、ベルトを増やしたり混乱させた理由を聞きてえんだが」
「私の叔父…つまりアヴァロンの2代目も実は貴方達…いや貴方達家族の存在を認識していました」
「子供を引き取り、レスラーとして育て上げ…もっとも団体を率先するのに相応しい選手に黄金を託すつもりだったようです。その為にベルトを鍵にしたようですね」
「3代目が無くなる時、3代目からそれを聞いた不届きな日本人が横取りしようとしたのでネ、私が処罰した」
「そこから先は俺に話をさせてもらおうか」
「さ、冴島!!」
見計らったようなタイミングで冴島が現れた。
「先に言っておくマクレガーはそろそろ準備しておいた方がいい。…よって省略して話すぞ」
「俺はそのアヴァロンのレスラーだった。3代目はこの事実、そして妻であり妹でもあるルーシーの家出により酷く衰退していった。彼はアヴァロンを自分の代で終わらせるつもりだった。後悔してたのさ…ルーシーの話を断ったことを……」
「じゃ、じゃあ日本人って…」
「織田 秀人。俺と同じくアヴァロンのレスラーだった。実はこいつや他の仲間は先程のリストにない16番目の子孫を見つけるために日本に居たんだがな…この織田は欲が出てその使命を放り出して黄金を探そうとした……そして、そこに居るヤンに捕まり拷問されて、黄金の場所を掴んだのだ」
「あ?婆さん達は黄金の場所を知らなかったのか?」
「ああ、それは継承した3代目にしか知られていなかった。そして、その黄金を手にしたルーシーとヤンはあの船という"家"を作り上げた。
俺は織田が拷問されて吐いた事だけを知り、黄金を使ったのが誰か…そしてルーシーであれば3代目の遺言状と16番目の息子の存在を知らせるべく…この船へ乗り込んだ」
「そうそう、実はマクレガーが来るまでその織田って奴の息子が居たんだよね。家出する時にオーナーがベルトを持ち出したけどそれ本当はコピーらしくてさ、3代目から預かった本物をオーナーに渡しに来たんだよ」
「あ?じゃあ俺達はコピーを巡って争奪戦しているのかよ……ってドラゴンはあの船を作ったのがこの婆さんじゃなかったらどうしてたんだ?」
「"処分"してた」
一瞬で空気が凍りついた。
冗談ではない、確かな殺気を感じた。
「まあ、そんな必要もなくて無事解決できて何より……ケネディ、あとはお前の話だ」
冴島はケネディの元に近寄り、彼の肩を叩いた。
俺はケネディへと視線を向けると、奴は今にも暴れだしそうなくらいの形相をしていた。
「私は……貴様達のようなクズと同じ血が流れているという事実に絶望した!この船に貴様らは必要ない。私が黄金を手にし、この団体の権利を継承する!!!」
なるほどね、話がようやく繋がったぜ……
だが、こいつには共感は出来ない。
「貴様には分かるまい!この絶望が!誇り高き血を受け継いだと思えば…このような狂った先祖を持ち、ましては血を分けた家族が犯罪者!!!!この悲しみが!!分かるか!!」
「分かってたまるかよ!何が血だ!!!俺は俺だ!!!」
「マクレガー…」
「ナンバー76!貴様の経歴は知っている!貴様もろくでなしの荒くれだ!!!よって私の感情はわからないだろう!」
「うるせえ!!それに人を数字で呼ぶんじゃねぇ!俺はデヴィッド・マクレガーだ!!」
「ふん!貴様のようなクズの名前…覚えるに値しない!」
「じゃあ今から刻め!!!」
俺はケネディに向かって殴り掛かる
しかし、ケネディはそれを避け…俺は机に向かって転倒してしまった。
「きゃあ!」
「貴様のような単細胞生物の攻撃など避けるのは容易だ!」
「おいおいおい、2人とも落ち着けよ!!」
「暴れるなら外でしたマエ」
そうだった、ここは人の家だった
「表へ出ろ、クズは所詮クズだと言う事を解らせてやる」
「いいぜ、予定より早いがてめえの偏った脳みそを解してやる!!」
俺達は家を出て、少し距離を取り…睨み合った
「いいのかよ……」
「仕方あるまい。二人がここにいる時点でのれは避けられなかった」
「マクレガーはん!試合があるの忘れてへんよな!?」
「分かってるって……でもコイツはぶちのめさなきゃダメだ」
「身の程知らずが……お望みであれば」
「「俺が倒す!!!」」