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新しく生まれ変わったGGA公式ブログ

GGA チャンピオンズロード "トラップ"

 

よお、俺はデヴィッド・マクレガー

 

この間までの三連勝で団体に認められたのか早くも王座へ挑戦する機会を与えられた。

 

4人トーナメントで

俺、オセロット、アンジェロ、あと…誰か忘れたわ

とりあえずその4人で挑戦権を争う……予定だった。

…しかし

 

「…兄さん〜〜もっと縄を絞めたほうがいいんじゃない?」

 

「…こいつ身体でかいから締めるの大変なんだよ」

 

……話し声が聞こえる

 

「なんだこれは!?」

 

ふと目が覚めると俺は縄で縛られていた。

弁当を食べるところまでは覚えているのだがな。

 

「しまった!起きたのか…薬が弱かったか」

 

ガデッサとガッデスの兄弟……ツインズによって俺はバックステージで何故か捕縛されている。

 

「てめえら!何しやがる!」

 

「あーあ、どうしよう兄さん」

 

「悪いね。あんたにそこまで恨みはないけど頼まれちゃってさ」

 

「頼まれただと…?」

 

「まさか起きるとは思わなかったからな…仕方ない、このまま我慢してくれ」

 

「どういう事だ…?」

 

ハッ…!もしかして!

俺は壁にかけられた時計を見ると既に俺の試合が始まっている予定の時間より8分ほど過ぎていた。

 

10分以上選手が現れなかった場合欠場と見なされる。誰に頼まれたか知らないが……姑息な手を…って絶対オセロットの奴なんだろうな……

 

「ま、この調子だともう手遅れだがな」

 

オセロットの一人勝ち〜!イエーイ!」

 

「やっぱりそうかよ…!」

 

そう、第1試合は俺とオセロットだ。

もう片方の組み合わせも同時に試合をして勝った方が続けて試合するとかいう少しトンチキなルールだ。

なので俺が不戦勝になると、万全の体制のままオセロットは決勝戦をする事になる

 

 

そして、俺は椅子を揺らして少しでも縄を緩くしていた。

 

「…くそ、解くつもりか…もう手遅れだというのに…仕方ない…もう一度眠らせるか…!」

 

兄貴の方がバットを構え、俺の方にふりかぶる…!

その瞬間、俺は縛り付けている椅子を持ち上げ、兄貴に向かって前転した!

 

「俺を舐めるな!!!!」

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

「兄さん!!」

 

見事、足の部分を兄貴の顔面にぶつける事に成功する。

 

 

 

「マクレガー!!そこに居るのか!?」

 

そして運良くメディチが駆けつけてくれた。

俺を探しに来てくれたのか…

 

「くそ!!ロマリオ・メディチか!!」

 

「てめえら!!姑息な手を!!許せねえ!!!」

 

メディチが弟の方にスピアーの体制で突撃して行く。

 

「ぐわあああああ!!!」

 

メディチ!!!」

 

しかし、弟によってメディチが関節技で抑え込まれる。

秒殺じゃねーか!!!

 

だが、時間は稼げた!!

 

 

俺は抵抗の末緩んでいた縄を解き、起き上がろうとしている兄貴を掴んだ

 

「兄さん!!!」

 

「うおおおお!!!!」

 

俺はパワーボムの体勢に入り、兄貴をテレビの液晶目掛けて放り投げる!!!

 

「兄さああああん!!!」

 

弟は慌ててメディチを放し、兄貴の方に駆け寄る。

 

 

 

「逃げるぞ!!メディチ!!」

 

「お、おう…」

 

俺たちはバックステージの廊下を駆け抜け、リングへと向かう。

 

 

「実はアンジェロの対戦相手のアダムも居なくてよ!」

 

アダム…そうだ、アダム・ダ・カーン。

俺らの少し前にデビューした日本かぶれの変な黒人選手だ。

 

「むしろアンジェロは襲われなかったのかよ」

 

「いや、何人かに襲われたけど無事逃げ出せたらしい!アイツはああいうの得意らしいからな!」

 

「意外だな!」

 

「だろ!!あいつも強えんだ!!」

 

バックステージを抜け、花道までたどり着くと……

 

 

「アンジェロ!!オセロットに抑え込まれました!!」

 

「これは記録的な勝負だな!」

 

「トラブル発生で急遽普通のシングルマッチとなりましたが、なんとオセロットがクイックでハイスピードに勝利!」

 

2分足らずでアンジェロが負けていた。

マジかよ…

 

「おおっと!花道に居るのはデヴィッド・マクレガーです!大遅刻でやってきました!」

 

「ロマリオ・メディチもいるな!」

 

実況席の連中が俺達に気づき、照明を向けた。

ざわめく観客席。

 

リングの上でオセロットがニヤついている。

こちらに視線を向けながら、マイクに手を取り…

 

 

「残念だったな、マクレガー、そして観客席のみんな!世にも奇妙な"同時試合"という企画を潰してしまった事は詫びる!」

 

沸き起こるブーイング。

しかしそれでも山猫は笑みを絶やさない。

 

「まあまあまあ、この世は綺麗事ばっかりじゃ生き残れねぇんだ。むしろこういう不祥事を生で見れてラッキーと思っててくれ」

 

止まぬブーイングと罵詈雑言。

俺は怒りで拳を握りしめてオセロットを見つめていた。

 

奴の方まで向かおうと足を動かそうとした、その時

 

「マクレガー!あぶねえ!」

 

メディチの声で振り向くと血まみれのツインズが俺目がけてハンマーを振りかぶって来た!

俺は咄嗟に避けて、ハンマーを握っている兄貴を掴むも、弟の方が俺の足関節を蹴りあげる!

 

「くそったれ!!!」

 

メディチが再び加勢に入り、殴り掛かる。

 

 

「おおっと!!ツインズまで現れました!!どうなっているんでしょうか」

 

「マクレガーの足止めをしていたんだろうな!」

 

「もはや乱闘です!!」

 

花道で戦う俺たちを尻目に反対の出口へ立ち去ろうとするオセロット

 

「待て!!オセロット!!!」

 

「離すか!!!」

 

 

「じゃあな、お坊ちゃん…ベルトは俺が頂くぜ…!」

 

オセロットが立ち去ります!」

 

「いくらマクレガーが騒いでもルールはルールだからな、仕方ない」

 

 

「くそ!!!離せ!てめえら!」

 

俺は暴れてしがみついているツインズ達を突き放す。

あとついでに剥がそうとしていたメディチ

 

 

「今更、判定を覆そうとは思わねえ、油断していた俺のミスだ!!だが!!それとは別にお前らが気に食わねえ!!!」

 

「ああ、俺もこの怪我の落とし前をつけないと気がすまねえ!」

 

「「だから、タッグマッチで勝負だ!!」」

 

 

「おおっと!?ここで次の対戦カードが決まったようですね!」

 

「今からでもするんだろうか」

 

「だとしたらガデッサの方が怪我があって不利ですね!」

 

 

「おおっ!!そうだやったれ!マクレガー!!!……ってタッグマッチ?」

 

「おう、お前も借りを返したいだろ?」

 

「えっ…いや………おう!!やってやるぜ!!!」

 

 

「怪我がなんだ!今からでもやるぞ!!」

 

「流石だ兄さん!!」

 

 

 

「君たち、待ちたまえ!」

 

今すぐにでも殴りかかろうとする俺たちを二人の男が制止してきた。

 

GMとコーチが俺らの間に割って入ってきた。

 

「こうして不祥事を何とか盛り上げようとしてくれる気概は認めるが、すまない、試合は次回にしてくれ」

 

ガデッサの怪我の事もあるしな、残念だったなマクレガー」

 

「僕はこんな怪我!大丈夫です!」

 

「いや、そもそもこの団体にはこういうトラブルが起きた時の解決方法は決めているのだ」

 

 

「ウフフ…GM…まさかようやくこの日が来ましたね…」

 

「そうだな…コーチ…ドキドキ…」

 

 

急に上着を脱ぎ、上半身裸になる2名。

 

「もし、選手に何かしらのトラブルが起き、試合に参加する両名とも欠場となった際……」

 

「放送時間の穴埋めをどうするか……その答えは…」

 

ズボンまで脱ぐ両名。

いったい何を始めるんだ……

 

「「我々が試合をするのだ」」

 

 

服の下に試合着を着ていたのかよ…!!

 

 

それから、老体2人による、見苦しい取っ組み合いがリングで行われた。

俺らのタッグマッチ宣言で少しは盛り上がってた会場だが、これによって更に冷え込んでいた……

 

「30年…いや31年振りですね…!」

 

「ああ、あの時の決着をつけようじゃないか……!」

 

盛り下がっている俺達を置いておいて、リング上での2人はとても楽しそうだった。

その様子に少しは会場も騒いでいたが……

 

 

 

「帰るか、メディチ

 

「ああ…」

 

「兄さん、僕らも帰ろう」

 

「うむ…」

 

突如始まった出来事に行き場のない衝動が完全に冷めきった俺達は会場を去った……