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GGA チャンピオンズロード"アヴァロン"

 

アヴァロンの経営は順調であった。

そして彼は待つだけではなく、同時に捜索も行っていた。

 

また、彼は妻が存命中の時から自らが撒いた隠し子達の支援も密かに続けていた。

ただ、中には彼の境遇を知り、怒って支援を断る者もいたが…

大半は彼を受け入れていた。

それほどまでに黄金は人を魅了していた。

中には未来のレスラーとするべく、息子をアヴァロンへ預ける親も居た。

 

 

そんなある日、フロリダに住んでいる"妻"の1人からクリスティナに似た女性の目撃情報が寄せられた。

彼は成人した息子にアヴァロンの運営をまかせ、1人旅立った。

 

フロリダへたどり着き、再会を嬉しがる"妻"をあしらいながら彼女の目撃情報について詳しく聞いた。

 

その後、目撃された場所付近で聞き込みを繰り返し、ついに彼女の場所を特定する。

 

 

ようやく会えたクリスティナは10年以上前と変わらぬ美貌を持っていた。

クリスティナは彼との再会を待っていた。

飛び降りた際に幸運にも角度がよく、打ち付けることなく海の中にそのまま落ち、溺れていた所を近くの漁師へ助けられた。

 

彼が去った後に残された手紙も読んだが、彼が有意義に使ってくれると信じて1人で1から暮らしていく事を決めたとの事だった。

 

舞い上がった彼は10年若返ったような気分になっていた。

彼は彼女と共に暮らすことを決意した。

彼女の小さな家を売り払い、州の少し外れた海岸沿いの土地を購入。

そこで愛を育んだ。

 

そして目的を終えた彼は用済みと言わんばかりに各地の家族への連絡、支援とアヴァロンへの連絡を絶ったのだ……

 

 

それから数十年後、アヴァロンは彼の孫の代までなんとか続いていた。

アーノルドが残した黄金も減るどころか資金は増えていき順調に経営出来るだけの資金はあった。

2代目の際にアーノルドが勝手に引き出すことがないように離れた島の権利を買い、そこへと隔離し、団体最高権位のベルトを鍵にした。

 

 

 

 

そして、3代目。

孫であるシャルルはある女性と運命的な出会いをする。

 

真紅の髪、輝く黄金の目。

 

冷戦が始まろうとし、動乱のアメリカから逃げるように英国に渡り喫茶店で働く彼女…ルーシーと恋に落ちた。

 

シャルルとルーシーは急接近し数週の交際を経て結婚した。

 

 

 

月日は流れ、結婚から20年。

子には恵まれなかったが幸せであった。

3代目の意志により黄金を使わずになんとか経営していた……が、ついに恐れていた日がきてしまった。

 

事実とは時に知らない方が幸せである。

 

 

ルーシーは夫が長期出張をするという事で普段触らぬ部屋…夫ですら入らない物置を掃除していると、貯金箱を落として割ってしまった。

そして、その割れた貯金箱から1つの鍵が現れた。

 

その奇妙な形をした鍵だったが使い道に関して心当たりがあった。

この家に一つだけ鍵が見当たらず、鍵師に頼んでも開けることが出来なかった開かずの部屋が存在するのだ。

 

夫も必死に探していたが結局見つからなかった。

貯金箱に隠す程の鍵…

 

夫が帰ってから開けるべきか迷ったが彼女は好奇心を抑えられなかった。

 

そこには数々の写真や地図が飾られている書斎だった。

 

写真を見て彼女は驚愕した。

 

しかし、まだ、結論を付けるのは早いと思い部屋を漁り、1つの日記へとたどり着いた。

 

 

 

最悪の予感は事実となってしまった。

 

そう、ルーシーの祖父はアーノルドだったのだ。

腹違いの孫同士で恋に落ちてしまったのだ

 

そして、祖父の隠し子達の存在も知ってしまった。

自身の存在の為に、捨て駒として扱われた残酷な家族達の存在を知ってしまったのだ。

 

帰ってきた夫にこの事実を話す。

夫も驚き、2日間床に伏せることになったが、この事実を忘れないかと提案をした。

 

しかし、彼女にとってはもはや生きていることに罪悪感を抱いてしまった。

 

この家族達を助けたい。

 

そう、夫へ願うも叶わなかった。

 

今更動いたとしても恨みを買っているだろうから報復の恐れしかない。

 

その通りだ。

それは分かる。

 

しかし、彼女は罪を清算せずに居られなかった…

 

数日間の喧嘩を経て、彼女は家を出た。

 

 

名前もクリスティナへと変えて、名乗るようになった。

そう、祖母に変わって罪を救うべく。

 

 

そして、今のアヴァロンでは無く。真の"理想郷"を作るべく……