GGA チャンピオンズロード "?"
「…さて、これで満足かい?」
ここはドラゴンこと冴島の住居。
先程マクレガーとの通話を終えた彼は電話を置き、語りかけた
その相手は…
「いやあ、些か他人事感が強かった所はあるが…ありがとう」
「ふん、外道め…いつから成りすましていた?」
「あいつがヤンに頼まれてベルトをあんたに渡すちょっと前かな」
「やはりこの騒動の初めからか…」
「ギリギリ"本物"が帰ってくるまでに間に合うか…と思ったらちょうど帰ってきてヒヤヒヤしたよ」
「そうだな、あいつは何も知らなかった…お前の正体以外はな」
「いやあ、彼には悪い事をしたとは思ってるよ」
「白々しい、第一、黄金は確保したのだろう?オーナーを撃つ必要性はなかった」
「は?復讐までセットだろ?あの女の為に俺達は居場所を失ったんだぞ」
「…3代目はそんな事望んでいないぞ」
「知らないな、俺達の家をぐちゃぐちゃにした。だから俺は怒った。それで十分だろ」
「だからって罪を犯すリスクまで負う必要が…」
「この黄金にはそれすら打ち消す力がある…問題ないさ……それに、こんな事を起きては団体の名前にダメージを受けてしまう。だからヤンは自分の力でこれを揉み消している。勿論俺を捕まえるので後々動かすとは思うがね」
「そこまでして金が欲しいか!?」
「欲しいね。これさえあればアヴァロンを復興できる」
「アヴァロンはもうないんだ、目を覚ましてくれ」
「うるさい!第一、2代目はこのベルトと黄金を"真の強者"に与えるつもりでいたんだ!それがあいつの自己満足で身内だけで争わせる方がおかしいだろ!」
「だからってこの方法はないだろう!」
「……あんまり言いすぎると娘の命がねえぞ」
「……失望したよ。あんな目にあった時は同情したが」
「そうだろう、もう俺は今までの俺じゃない。ひたすらに堕ちていくだけだ。だから姿を隠してるんだよ…」
「お前……」
「俺は止められないし、この事実を知ったあの男達は怒り狂っている。俺が捕まったとしてもアイツらが暴れて沈没は止めれない」
「いや、止まるな」
「どうしてそう思う?」
「君はファイターの本質を見失っている…そしてデヴィッド・マクレガーとケネディ・ディアスはそれを成し遂げる」
「あの二人?急に兄弟喧嘩を始めていたが滑稽だったよ」
「今にわかるさ…」
俺はあの騒動の直後、ケネディから連絡を受けていた
"デヴィッド・マクレガーと試合をさせろ"
と
アイツが名前を呼んだのも驚いたし、指名するとは思わなかった。
予定消化もあるので少し待つように伝えたが…会合は無駄じゃなかったようだ。
確実に、改善へと動いている……
だから、今は耐え忍ぶしかない